僕が死のうと思ったのは◇ウミネコが桟橋で鳴いたから

波の随意に浮かんで消える◇過去も啄ばんで飛んでいけ

僕が死のうと思ったのは◇誕生日に杏の花が咲いたから

その木漏れ日でうたた寝したら◇虫の死骸と土になれるかな

薄荷飴 漁港の灯台 錆びたアーチ橋 捨てた自転車

木造の駅のストーブの前で◇どこにも旅立てない心

今日はまるで昨日みたいだ◇明日を変えるなら今日を変えなきゃ

分かってる 分かってる けれど

僕が死のうと思ったのは◇心が空っぽになったから

満たされないと泣いているのは◇きっと満たされたいと願うから

あなたのような人が生きてる 世界に少し期待するよ